現場の声から説明する、変わってゆく公立高校入試

家庭学習

こんにちは、たまごろうです。

塾講師13年以上かつ、小2の娘を持つ子育て主婦をしております。

最近、高校の入試問題が難しくなってきているって本当かしら?

はい、本当です!問題の内容も、形式も大きく変わってきています!

今回は、今の日本が行っている教育改革の意図と、今後生徒達がどのような点に注意して勉強をしていけば良いかを紹介していきたいと思います。

高校生未満のお子さんがいるお母さんへのヒントや、受験を控えている生徒達へのエールとなる内容になっておりますので、是非ご覧くださいませませ〜!

①なぜ変化しているのか

学校で扱われる教科書は、文部科学省が定める学習指導要領というものに則って作られているのですが、この学習指導要領は、10年ごとに改定されていきます。

学習指導要領とは、それぞれの教科等の目標や大まかな教育内容を定めたものですよ。

前回は、2017年に小中学校が、2018年に高校が改訂され、2020年には皆さんもご存知の通り、それまで長く行われてきた大学入試センター試験が廃止され、共通テストが代わりに導入されています。

教育改革の内容は「思考力」と「判断力」と「表現力」

それらの育成に焦点を置いて、小中学校の教科書も変わってきているのです。

直近では、小学校の教科書は2020年度に、中学校は2021年度に改訂版へ切り替わりました。

学習指導要項は10年ごと、教科書は5年ごとに変わります。

特に前回の教科書改訂は大きな変化がありましたよ。

そういうわけで、公立高校入試で「思考力」「判断力」「表現力」を問う問題が年々増えてきているのです。

②なぜ学習指導要領は改訂されるのか

学習指導要領の改訂は、現代の社会変化に大きく影響を受けています。

前回の改訂は、昭和22年に初めて編集、刊行されて以来、昭和26年、 33年、43年、52年、平成元年、10年の全面改訂に続く7回目の全面改訂です。

その都度、時代を反映した内容となっており、戦後の高度経済成長と共に、詰め込み教育ともいえるハードな内容を盛り込まれたり、その後反動を受けてゆとり教育といわれる学習負担の軽減が行われたりしてきました。

現在は社会の変化のスピードが今までにないほど早く、スマホやPCの通信技術の向上とSNSの普及により、国際情勢や人々の考え方が日々変化し続けているという状況です。

そんな中で、私たちは常に、未曾有の問題に柔軟に対応していかなくてはいけません。

そういうわけで、今までの単純な「知識の詰め込み」だけではなく、「自ら考える力」や「考えたことを表現する力」が重要視されてきたわけです。

幼稚園・保育園時代や、小学校の低学年からこれらの力を意識していくことが重要だね!

③実際に出題された入試問題の傾向について

内容の変化

2021年度の中学教科書の改訂に伴い、新しく追加になった内容があります。

数学では「四分位範囲と箱ひげ図」、理科では「ダニエル電池」、英語では「原型不定詞」や「現在完了進行形」「仮定法」など高校の内容が降りてきました。

さらに早速、その翌年の2022年度の入試問題では、ほとんどの都道府県で新出内容が出題されて、今までの過去問で触れる機会もなかったため、正答率が30%を下回る問題が多かったようです。

質の変化

当然、問題内容の増加だけではありません。

教科を問わず、問題数に変わりはありませんが、グラフや対話文、文章を読み解く長い問題が多くなり、入試問題の平均ページ数はこの10年で約20%も増えているそうです。

速く読む力、関連付けて考える力、想像する力、時間配分、精神力が必要ね!

今はまだ改革の変遷途中。

これからもこの傾向は続くので、新しい形式の問題に対する練習が重要になってくるよ!

速読については、別記事で紹介しておりますのでこちらもご覧ください。

④今年から出来る入試対策として

自分で出来る対策

公立高校の入試対策は、地域の特性もあるので、従来通りの過去問の演習が軸となります。

しかし新しい内容、形式の問題は、出題数が少ないと思われますので、

新しい内容、形式の問題が先行して出題されている、他の都道府県の入試問題過去問を演習することが有効です。

自分の住んでいる地域の過去問には無かった傾向の問題に、どんどん取り組んでいきましょう。

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でも日本全国47都道府県の過去問のうち、新出内容がいつどこで出されているかなんて、発見するのんり〜む〜過ぎるやん。

そういう時こそ、学校の先生や塾の先生に相談するんだよ!!

まさに、塾講師として、ここがサポートのしどころだと思っています。

また、書店で単元別になった過去問集を購入するのもいいと思います。

おすすめはコレ系(在庫がすでに少ないですが。)↓

ただし、過去問のテキストは解説が丁寧でないことが多いので、やはり塾のサポートは欲しいところですね。

塾に通って得られるメリット

学習塾も常に生き残りの競争にさらされていますから(笑)、私も含め、大手の塾の講師というものは日々、その膨大なネットワークを使って全国で新鮮な情報を共有し、広範囲に入試問題の研究を行っていることが多いのです。

また、過去問に取り組む際に、その関連した他の知識を確認したり、不正解だった箇所の効率の良い復習のやり方を的確にアドバイスすることもできます。

そして今後のことも考え、高校合格へ導くだけでなく、その先にある大学入試共通テストを見据えた指導を受けることができます。





⑤まとめ(私の思い)

この数年で、大学入試が変わり、高校入試が変わり、小学校での教育内容も変わってきていますが、「変わる」という事はかなり前から議論されてきた事でした。

そのため、塾業界では相応の準備もしてこられました。

目標達成ができなかった場合の、「急にやり方が変わって対応できない」「昔と違う」などの言い訳はもはや通用しません。

つまり、この変化をいち早く察知して、「今までのやり方」に固執せず、新しい思考・やり方を柔軟にどんどん取り入れる者が勝ち残り、その誘導が教育者の端くれとして大切だと感じています。

また、現在の学習指導要領で大切にされていることは、「3つの柱」と文部科学省でいわれています。

出典:文部科学省HP

私たち塾講師や親はついつい、試験の点数や受験の合格が全てだと思いがちですが、今後求められていく人材は、予測困難な未来においても、自分で課題を見つけ、学んで考えて行動できるような人間だということを文部科学省が明言しているのです。

言い方を悪くすれば、暗記テストで100点ばっかり取るようなガリ勉は要らない、ということでしょう?

我が子を含め、生徒達には、合否の結果とは別に、試験のその先にあるものを見失わず、自信を持って社会に出て活躍できる人間になってもらいたいと願っております。

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